マリオ逝去

私の実家には齢18年になる猫がいます。名前は「マリオ」。お腹の柄がかのマリオヴァレンティノのマークに似ていたので付けられた名前です。メス猫ですが避妊手術をしたので、大人しい?!猫でした。すでに高齢になっていたので、毎年「この夏を越せるかしら?」「この冬を越せるかしら?」などと話をしていたんですが、今朝8時に静かに亡くなりました。通勤電車の中で父から報告を聞いて、人目があるにも関わらず涙を流しました。
マリオが急激に弱り始めたのは、妹と私が半年ずれで結婚し家を出たあたりからです。猫でも寂しかったんでしょうね。それから1年、妹がお産し、その4ヶ月後には私が出産。実家は孫の誕生で賑やかになりました。
マリオもそれなりに喜んでくれていたと思いますが、両親がこれまで自分にだけかまっててくれたのに、孫ができるとそっちにかかりっきり。この時もマリオは寂しかったのかな、と今になって思いました。それでも、いや、きっとマリオは孫ができるまで両親に寂しい思いをさせないため、寿命が来てても頑張って生きてくれて、それでやっと孫ができたので自分の役目も終わったと感じたのかな、なんて思い直したりしました。
11階から2度も落ちても死ななかったり、冬には布団に上って胸を圧迫したり、終いには人間を退かせて自分が陣取ったり。話題には事欠かない猫でした。ちょっと頭は悪かったですが、目がクリクリで可愛い顔をしたお茶目な猫でした。弱っていく姿を見るにつけ、辛い気持ちになりましたが、またすぐに元気なマリオになってくれる、とどこかで思っていたんでしょうね、私が高校1年の秋に拾ってこられてから、大学入学、震災、留学、就職、結婚、出産を見守り続けてくれた猫でした。今日の連絡は本当にショックで悲しかったです。
帰宅してからマリオのその後を聞くと、拾い主でもあった妹がお花を柩に敷き詰めてくれたそうです。動物霊園で火葬にしてもらい、今は実家でお線香とお花を手向けてもらっているそうです。私は明後日の納骨に同行することにしています。それが最後のお別れになるんだな、と思うとまた涙が出てきました。どうか、安らかに。